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この記事では、S&P500の特徴、メリット・デメリットに加え、購入方法や投資する際の戦略について解説します。
私もS&P500の特徴や購入方法を把握した上で、新NISAにてS&P500の投資を始めました。
記事の前半では『S&P500の特徴、メリット・デメリット』を、記事の後半では『S&P500の購入方法と投資する際の戦略』を具体的に解説します。
この記事を書いた人
- 『NISAの達人』の管理人
- 会社員&ブロガー
- 新NISA(選び方、買い方、運用方法)について発信
この記事を読み終えることで、『S&P500の特徴、メリット・デメリット』を理解できるだけではなく、『S&P500の購入方法や投資する際の戦略』についても理解できた状態になりますよ!
S&P500について
S&P500とは、米国を代表する株価指数の1つで、米国で上場している企業約500社が対象となっています。
ここでは、S&P500についてもう少し細かく理解していただくために、以下の5つの観点で解説します。
S&P500の詳細を理解する際の観点5つ
S&P500の特徴
S&P500の特徴として、次の6つが挙げられます。
S&P500の特徴6つ
- 米国企業である
- 大型株に該当する
- セクターごとに分散されている
- 財務が健全である
- 流動性が高い
- 公開株式が十分存在する
上記の特徴を満たす銘柄に対して、時価総額加重平均として算出された指数がS&P500の株価指数です。
時価総額加重平均とは?
各銘柄の時価総額が全体に占める割合を考慮して算出した平均のこと。
例えば、A銘柄が全体の75%、B銘柄が全体の25%だった時、時価総額加重平均は以下のようになる。
時価総額加重平均=0.75×A銘柄の時価総額+0.25×B銘柄の時価総額
また、S&P500のセクター別の内訳は以下のようになります。
ヘルスケアや生活必需品など、不景気時も一定の需要が見込まれる銘柄が含まれています。
このように、景気の影響を受けづらい銘柄に分散投資できている点も特徴の1つです。
主要な株価指数との比較
S&P500以外の有名な株価指数として、次の4つが挙げられます。
株価指数 | 国 | 銘柄数 | 特徴 |
---|---|---|---|
日経平均 | 日本 | 225 | 日本を代表する企業225社で構成される |
TOPIX | 日本 | 約1600 | 東京証券取引所に上場する銘柄を広く網羅している |
NYダウ工業株価指数 | 米国 | 30 | 米国の優良企業30社で構成される |
NASDAQ | 米国 | 約3800 | 将来的に成長が見込める銘柄を中心に構成される |
また、TOPIXやNASDAQはS&P500同様に時価総額加重平均を用いて指数を算出しています。
このため、マイクロソフト、アップル、トヨタなどの時価総額が大きい企業の影響を受けやすいことが特徴です。
時価総額が大きいほど会社全体の価値が高いと見なせるため、合理的な算出方法と判断できますね。
過去実績に基づくパフォーマンス
S&P500の直近10年間のリターンは、年利10.47%となっています。
参考までに、10年前から月々3万円を投資していた場合のシミュレーションをしてみましょう。
結果は以下のようになりました。
シミュレーションの結果、元本360万円に対して271万円の利益が得られました。
また、元本の約75%(= 271/360)もの利益が得られるため、長期積立の有力な候補の一例と言えますね。
上記は一例であり、今後の運用益を保証するものではありません。
S&P500に投資するメリット
S&P500に投資するメリットとして、米国の経済成長の恩恵を受けやすいことが挙げられます。
実際、米国には以下の3つの仕組みが備わっており、これらの効果により今後も経済成長していく可能性が高いです。
米国に備わっている仕組み3つ
- 株主還元を重視する傾向
- 世界をリードする巨大企業の存在
- 長期的な人口増加
上記で取り上げた仕組みの詳細は、以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。
S&P500に投資するデメリット
S&P500に投資するデメリットとして、一国依存のためリスクヘッジが困難なことが挙げられます。
なぜなら、S&P500は投資先が米国に限定されるためです。
例えば、中国やインドの経済が好調だったとしても、S&P500には関連企業は含まれないため、これらの経済成長の恩恵は受けられません。
さらに、米国経済が不調だったときはその影響をダイレクトに受けてしまいます。
米国経済と運命を共にする覚悟でS&P500に投資しましょう!
一国依存のリスクを少しでも低減したい場合、「オルカン」もおすすめです。
詳細は以下の記事をご覧ください。
S&P500に投資する方法3ステップ
ここまでの説明で、S&P500の詳細について理解できたと思います。
以降では、具体的な手順を交えて、S&P500に投資する方法(購入方法)を解説します。
S&P500に投資する際の具体的なステップは、以下に示す通りです。
S&P500に投資する方法3ステップ
順に解説しますね。
証券口座の開設
株式、債券、投資信託を購入するためには、証券口座の開設が必要です。
また、口座開設を行う際には、本人確認書類とマイナンバーが必要になり、顔写真の有無により必要な書類の数も異なります。
例えば、松井証券で口座開設を行う場合において、必要になる書類は以下のようになります。
観点 | 必要な書類の数 |
---|---|
顔写真つきの書類 | 1点 |
顔写真なしの書類 | 2点 |
さらに、口座開設時に利用できる本人確認書類(日本国籍の場合)は、以下のものがあります。
本人確認書類6点
- 運転免許証
- 健康保険証
- 住民票
- 印鑑登録証明書
- 住民基本台帳カード
- マイナンバーカード(個人番号カード)
※顔写真のある表面
それぞれの書類のうち、提出対象の情報や提出時の注意点は、コチラのサイトをご覧ください。
スマホを用いて手続きすれば、最短即日で口座開設できますよ!
投資信託の選択
今回は、楽天証券で「eMAXIS Slim S&P500」を購入する場合を例に取り上げ、解説します。
楽天証券のトップページにアクセスし、以下の手順で投資信託を探してください。
step.1:投資信託の検索
「NISA」→「商品を探す」の順にクリックします。
そして、検索バーに「S&P500」と入力後、投資信託を検索してください。
step.2:S&P500の選択
「eMAXIS Slim S&P500」を探し、クリックします。
積立時期と金額の設定
購入したい投資信託のページにアクセスできたら、後は積み立て設定を行うだけです。
以下の手順で投資信託を購入してください。
step.1:積立設定
ページ上部にある「積立設定」をクリックします。
step.2:積立金額の設定
積立金額を決め、「目論見書の確認へ」をクリックしてください。
今回の例では、積立金額を10,000円としました。
step.3:目論見書の確認
表示されたページにて、「目論見書の閲覧」をクリックし、目論見書に記載されている内容を確認します。
内容が理解出来たら右下の確認を押したのち、「同意して次へ」をクリックします。
step.4:支払い方法の選択
支払い方法を選択する画面です。
ご自身の都合の良い支払い方法を選択後、「次へ」をクリックしてください。
楽天キャッシュがおすすめです!にむstep.5:積立設定の確定
購入する投資信託や積立金額などを確認し、問題がなければ取引暗証番号を入力後、「設定する」をクリックします。
以上で、投資信託の購入は完了です。
必見!新NISAの活用
先程の積立設定では、新NISAを活用しました。
新NISAは有用な制度ですが、活用する際のメリット・デメリットがあるため、あわせて紹介します。
順に解説しますね。
メリット:売却益・配当金が非課税
新NISAで投資するメリットとして、売却益や配当金が非課税になることが挙げられます。
通常、売却益や配当金には約20%の税金がかかりますが、新NISA口座であればこれらの税金はかかりません。
配当金は課税方法(分離課税または総合課税)により、支払う税金が異なります。
例えば、投資信託を長期で運用し、100万円の含み益があるとします。
この状態で投資信託の売却を行うと通常では、利益100万に税金がかかり、手元に残る金額は約80万円です。
一方、新NISA口座で同様の運用と売却を行うと、非課税制度の適用により、100万円の利益を丸々受け取ることができます。
デメリット:投資可能額に上限あり
新NISAで投資するデメリットとして、投資可能額に上限があることが挙げられます。
具体的な上限値は、以下に示す通りです。
スコープ | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
---|---|---|
年間の上限 | 120万円 | 240万円 |
生涯投資枠の上限 | 最大1800万円(成長投資枠との合算値) | 1200万円 |
つみたて投資枠の上限は、「1800万円ー(成長投資枠の利用額)」となります。
金融庁のNISA特設サイトにNISA制度の詳細を示した図が掲載されていました。
こちらも参考にしてください。
S&P500に投資する際の戦略3つ
投資する際は投資先の商品の選定と同時に、どのように投資をしていくかも重要な観点となります。
以降では、S&P500に投資する際の戦略3つについて解説します。
S&P500に投資する際の戦略3つ
順に解説しますね。
長期投資
S&P500のように、長期的に右肩上がりの株価指数であれば、長期投資により以下の2点のメリットを享受できます。
S&P500の長期投資によるメリット2つ
- 投資利益の再投資により、複利効果が得やすい
- 15年以上の投資期間を確保することでプラスのリターンを得られる可能性が高い
1点目は、投資シミュレーションで示した通り、複利効果により雪だるま式に利益が増えていきます。
2点目はイメージを持ってもらうため、1980年から2023年のS&P500の実績に基づいて、1年あたりのリターンの変動幅を計算しました。
結果は以下に示す通りです。
上記から、15年以上投資することで、1年あたりのリターンがプラスになっていることが分かると思います。
あくまで過去の実績であり、将来の投資成果を約束するものではないです。
ドルコスト平均法の活用
定期的に決まった金額で投資する(=投資信託などを購入する)ことをドルコスト平均法と言います。
また、ドルコスト平均法の3つのメリットは、以下に示す通りです。
ドルコスト平均法の活用によるメリット3つ
- 少額から投資を始められる。
- 安いときに購入しない/高いときだけ購入してしまうことを防げる。
- 平均購入単価が安くなることがある。
3つ目のメリットに関して、金融庁のサイトで分かりやすい例が公開されていたので、あわせて紹介します。
さらに、一時的に価格が下がったとしてもドルコスト平均法で投資を続けることが重要です。
長期的に右肩上がりの株価指数であれば、一時的な含み損は将来的に解消される可能性が高いです。
資産のリバランス
長期投資によるメリットはありますが、年齢とともにローリスク・ローリターンな商品に組み替えていくことをおすすめします。
何故なら、金融資産をS&P500のみで構築している場合、市場動向次第では大きく資産を減らす可能性があるためです。
具体的には、定年間近の50代後半位から、S&P500に連動する投資信託を現金や債券に変更することが挙げられます。
株式相場にも依存するため、ご自身で判断の上、取り組む必要があります。
よくある質問3つ
S&P500の購入方法に関するよくある質問をまとめました。
どの商品がおすすめ?
新NISAでS&P500の積立を行うなら、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がおすすめです。
これは、以下に示す投資信託を選ぶ際の観点5つが根拠になっています。
投資信託の選び方5つ
- 運用実績
- 純資産残高
- 投資信託の手数料(信託報酬)
- 運用時の指標
- 投資対象の特徴(リスク・リターン)
実際にeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の場合は、いずれの観点に対しても良い評価となります。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
適切な投資タイミングってある?
一般に、価格が安い時に購入し、価格が高い時に売却できれば利益を得ることができます。
しかしながら、投資を行う上で、売買タイミングを的確に見積もることは困難です。
このため、投資を始めたいと考えたタイミングで積立投資をすることをおすすめします。
長期投資によりリスクを小さくできる可能性があるため、時間を味方につけよう!
にむ少額投資に意味はある?
人によって意見が分かれますが、私としては以下の3つの理由から少額投資に意味があると考えています。
少額投資に意味があると考える理由3つ
- 投資経験を積むことができる
実際に取り組むことで、理解できることも多い。 - 実体験を通してリスク許容度を確認できる
自身の心理状況と照らし合わせることで、的確な判断を行える。 - 将来に向けて備える仕組みを構築できる
預貯金と労働収入以外の方法で資産を増やせる可能性がある。
「損失を出したくない」と言った明確な理由がある場合は、おすすめしません。
にむ- 投資経験を積むことができる
新NISA制度を活用してS&P500に投資してみよう!
今回は、以下について解説しました。
S&P500は米国を代表する株価指数の1つで、今後も成長が見込める株価指数であることを解説しました。
S&P500購入方法を解説する前に、S&P500の詳細を説明したので、メリット・デメリットを把握した上で購入要否の判断ができたと思います。
また、S&P500に投資する際の戦略として、①長期投資②ドルコスト平均法の活用③資産のリバランスを取り上げて解説しました。
今回紹介した内容がキッカケとなって、投資を始める方が増えると嬉しいです。
さらに、新NISA制度と組み合わせてS&P500に投資することで、税制優遇を受けながら長期・積立・分散の3本柱で資産形成を行うことができますよ!