この記事で解決できる悩み
この記事を読むことで、S&P500に投資する際の考え方を把握できます。
実際に、私もこの記事にまとめた内容を把握した上で、S&P500に投資しました。
記事前半ではS&P500が注目される理由やメリット・デメリットを、記事後半ではS&P500に投資する際の判断基準を解説するので、ぜひご覧ください。
この記事を書いた人
- 『NISAの達人』の管理人
- 会社員&ブロガー
- 新NISA(選び方、買い方、運用方法)について発信
この記事の「S&P500の将来性」や「S&P500に投資する際の判断基準」を知ることで、S&P500の特徴を理解できるだけではなく、S&P500に投資する際の考え方も理解できるようになりますよ!
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S&P500が注目される理由3つ
S&P500が注目される理由として、次の3つが挙げられます。
S&P500が注目される理由3つ
順に解説しますね。
長期的に成長している
S&P500は米国の約500銘柄に連動する株価指標で、対象銘柄は厳格な基準をクリアした優良企業で構成されます。
このような背景もあり、S&P500の株価指数は長期的にみておおむね右肩上がりで推移しています。
以下は、1995年1月時点から2024年7月末までの約30年間におけるパフォーマンス推移を示したチャートです。
この30年間で11倍に成長していることが分かりますね。
また、時折、株価が下落している部分が存在します。
これは社会情勢の変化による株価下落ですが、数年後には回復しています。
このように、何度も不景気を乗り越えながら成長を続けている点がS&P500の特徴です。
今後も経済成長していく可能性が高いことが期待できますね!
定期的に構成銘柄が更新される
S&P500の構成銘柄は、一定額以上の時価総額や4四半期連続で黒字の利益を維持しているといった、厳格な基準を満たすことが求められます。
このため、その時々で成長している銘柄に投資できる点が特徴です。
実際に、S&P500の構成銘柄が更新される度にニュースレターが発行されています。
このような仕組みが備わっているため、自分で銘柄調整などを行う必要がありません。
管理コストがほぼゼロなのが嬉しいですね!
世界的な金融危機に強い
S&P500では、IT系やエネルギー系など11種類のセクター(業種)が投資対象です。
特にS&P500は金融危機に強いという特徴があり、コロナショック発生後もわずか半年ほどで暴落前の価格に回復しています。
今後も株価が暴落する可能性はゼロではないため、多くのセクターを対象としているS&P500に投資することをおすすめします。
S&P500に投資するメリット2つ
続いて、S&P500のメリット2つを紹介します。
S&P500のメリット2つ
順に解説しますね。
世界有数の経済大国に投資可能
米国は世界有数の経済大国です。
これは、下記に示す国内総生産(GDP)の推移から明らかでしょう!
また、S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%を占めていることから、米国の経済状況が良く反映された株価指数と言えます。
このように、S&P500に投資しておけば米国の経済成長の恩恵を受けることができると考えられます。
経済成長しやすい仕組みの存在
米国には、経済成長しやすい仕組みが存在します。
具体的な要素3つは以下に示す通りです。
経済成長につながる要素3つ
- 株主還元を重視する傾向
- 世界をリードする巨大企業の存在
- 長期的な人口増加
個々の項目の詳細は、以下の記事でまとめているため併せてご確認ください。
S&P500に投資するデメリット2つ
良いことばかりではなく、S&P500に投資するデメリットも存在します。
S&P500に投資するデメリット2つ
順に解説しますね。
IT系の景気の影響を受けやすい
以下は、S&P500のセクター別の内訳です。
このグラフから分かる通り、S&P500で最も多いセクターはIT系、となります。
このため、IT系の業績が大きく変動するとそれに引きずられてS&P500の株価指数も変動する可能性があります。
S&P500はIT以外のセクターも含まれているため、変動の程度はその時々の状況によって変わりますよ!
また、IT系の業績が大きく下がったタイミングは、以下の記事で紹介しています。
あわせてご覧ください。
他国の経済成長の恩恵を受けられない
S&P500の投資先は米国のみとなります。
このため、中国やインドが経済成長していた場合、その恩恵を受けることができません。
一国依存のリスクがある点も把握しておくことが重要です。
米国以外の経済成長の恩恵を受けたいと考えている方は、S&P500以外も投資先として検討する必要があります。
様々な国に投資したい場合は、全世界株式(オルカン)がおすすめです!
データから見るS&P500の将来性3つ
S&P500のメリットとデメリットを把握した上で、S&P500の将来性について私の見解を紹介したいと思います。
S&P500の将来性を考える際の観点は3つあり、その詳細は以下に示す通りです。
S&P500の将来性を考える際の観点3つ
順に解説しますね。
金利緩和の終了
以下は、1940年から2023年までの米国における、年平均の金利の推移を表したグラフです。
この図から、1981年をピークに、2020年まで金利が低下し続けていることが分かります。
一方、2020年以降では金利が上昇し始めています。
これらを踏まえると、金利は下降トレンドから上昇トレンドに変化する可能性が高いです。
このため、今後金利が下降トレンドに入るまでは、米国経済は低迷する可能性が高くなると言えるでしょう。
金利が上がると株価は下がる傾向がありますよ。
経済成長の鈍化
以下は、米国における1940年から2020年までの実質GDP成長率のグラフです。
このグラフから、実質GDP成長率は年々減少傾向にあることが分かります。
今後も成長率が低下していく可能性があることを考えると、いずれ頭打ちになるかもしれません。
米国以外の成長率も確認しておくことをおすすめします!
経済サイクル的な問題
以下は、米国における経済サイクル(景気循環の山と景気循環の谷のサイクル)です。
景気循環の山 | 景気循環の谷 | ピークから谷までの期間(年) | 谷からピークまでの期間(年) |
---|---|---|---|
- | 1933/03/01 | - | - |
1937/05/01 | 1938/06/01 | 1.1 | 4.2 |
1945/02/01 | 1945/10/01 | 0.7 | 6.7 |
1948/11/01 | 1949/10/01 | 0.9 | 3.1 |
1953/07/01 | 1954/05/01 | 0.8 | 3.8 |
1957/08/01 | 1958/04/01 | 0.7 | 3.3 |
1960/04/01 | 1961/02/01 | 0.8 | 2.0 |
1969/12/01 | 1970/11/01 | 0.9 | 8.8 |
1973/11/01 | 1975/03/01 | 1.3 | 3.0 |
1980/01/01 | 1980/07/01 | 0.5 | 4.8 |
1981/07/01 | 1982/11/01 | 1.3 | 1.0 |
1990/07/01 | 1991/03/01 | 0.7 | 7.7 |
2001/03/01 | 2001/11/01 | 0.7 | 10.0 |
2007/12/01 | 2009/06/01 | 1.5 | 6.1 |
2020/02/01 | 2020/04/01 | 0.2 | 10.7 |
また、この経済サイクルを1970年以降のS&P500の推移にマッピングすると以下のようになります。
ここから、株価上昇が3年~10年続いた後に、株価下落が0.5年~1.5年続いていることが分かると思います。
先程の金利上昇も踏まえると、今後は株価上昇の間隔が狭くなり、株価下落の間隔が広くなる可能性があるかもしれません。
あくまで過去の傾向に基づいた判断となるため、一例として捉えてください。
S&P500に投資する際の判断基準2つ
S&Pの将来性について把握できた上で、S&P500に投資する際の判断基準をご紹介したいと思います。
S&P500に投資する際の判断基準2つ
順に解説しますね。
今後も米国が成長すると思うか?
まず第一に、米国経済が今後も成長していくと考えていることが大切です。
なぜなら、今後、米国経済が衰退していくと考えているのであれば、投資先として選択するのは不適切なためです。
長期的にみて株価が下がる見込みであれば、わざわざ投資する必要はないですからね。
S&P500が注目された理由でも示した通り、米国株は一時的な株価下落後も数年かけて回復しています。
このように、過去の実績も踏まえ、今後も米国経済が成長していくかどうかが判断基準となります。
投資期間がどの程度確保できるか?
また、ある程度の投資期間が確保できるかどうかも重要な判断基準となります。
なぜなら、「S&P500に15年以上投資することで、年利リターンがプラスになる」という過去の実績があるためです。
S&P500の将来性も踏まえると、15年で確実にリターンがプラスになる訳ではないです。
このように、15年以上といった長期的な投資期間が確保できるかも、重要な判断基準の一つとなります。
【オルカンがおすすめ!】S&P500以外の投資先
S&P500以外の投資先として、私は全世界株式(オルカン)をおすすめします。
なぜなら、全世界株式に投資することで、世界経済の成長の恩恵を受けられるためです。
長期的に捉えると、世界経済は右肩上がりで成長する傾向がありますよ!
以下の画像は、全世界株式(オルカン)の株価指数の推移です。
オルカン(オール・カントリー)とは?
世界の先進国(日本を含む)と新興国を対象としており、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動する投資成果を目指す投資信託のこと。
上記から、全世界の株式市場の動きに連動する株価指数は、長期的にみると右肩上がりで推移しています。
このため、どこに投資すればよいか分からない場合、私は全世界株式(オルカン)に投資することをおすすめしています。
また、S&P500とオルカンの違いは以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
S&P500の将来性を把握した上で投資を始めよう!
今回は、以下について解説しました。
今回の内容
S&P500は米国を代表とする株価指数であり、好調に推移をしてきました。
一方、「データから見るS&P500の将来性3つ」でも示した通り、私としては「今後、十数年は株価が上がりづらくなる可能性が高い」と考えています。
このため、「今後も米国経済が成長する」または「投資期間が15以上確保できる」という状態であれば、S&P500に投資しても大きな問題は発生しない見込みです。
人によっては、「オルカンへの投資」や「投資自体をしない」という選択肢もあると思います。
ご自身の経済状況やライフプランにあわせて、投資先を選定してみてください。
さらに、新NISA制度は投資により得られた運用益(売却益や配当金)が非課税になるため、税制優遇を受けながら長期・積立・分散の3本柱で資産形成を行うことができますよ!
これから資産運用を始める方
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